トランプはなぜ勝利したのか?③<br />覇権国家アメリカの本当の国益とは!そして本音! |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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トランプはなぜ勝利したのか?③
覇権国家アメリカの本当の国益とは!そして本音!

倉山満によるアメリカ大統領『トランはなぜ台頭したのか 覇権国家アメリカの本当の国益とは!』 トランプが大統領にまでなりあがったアメリカの現状!そして日本は…シリーズ③

ズバリ、アメリカが勝てない戦争とは何か?

  アメリカというのは破壊力(Destructive power) では世界最強なのに対して、占有力(Occupational power)ではどうしようもないほど弱いのです。

   だから、ハイチ動乱やグレナダ侵攻、パナマ侵攻の時のノリエガを捕まえたような、はっきり言って、戦争とは言えないマフィア退治レベルの話を除けば、対日・対独戦争以後、まともに勝てた戦争はありません。

   ベトナム戦争でも、みっともない負け方をしています。

   戦争の勝利というのは戦闘の勝利を講和に結びつけることであり、戦闘で勝利するためには最後には占有力がないといけないので、陸軍でも海兵隊でも空挺隊でも、要は、地上兵力が必要です。

   ところが、湾岸戦争でもアフガン紛争でもイラク戦争でも、相手を負かすまでは強いのに中途半端に引き上げてグダグダになるという、全て同じパターンです。

    イラク戦争のときは、実は最初には最精鋭の四個師団を送っていました。

    よりによって、そんな部隊が行かないと戦ができないのかと思いますが、結局そのあと、地上軍は現地人にやらせればいいということで、陸軍をどんどん減らしていって、同じことの繰り返しになっています。

    バルカン紛争にいたっては一回も地上軍を送っていません(詳しくは、KKベストセラーズの『世界大戦と危険な半島』をお読み下さい)。

   これをみると分かるように、本来、モンロー主義を自認する引きこもり体質のアメリカの本音はユーラシア大陸から手を引きたいということです。

※2016年7月に刊行された『大間違いのアメリカ大統領』より

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倉山 満

くらやま みつる

憲政史研究家

1973年、香川県生まれ。憲政史研究家。

1996年、中央大学文学部史学科国史学専攻卒業後、同大学院博士前期課程を修了。

在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、2015年まで日本国憲法を教える。2012年、希望日本研究所所長を務める。

著書に、『誰が殺した? 日本国憲法!』(講談社)『検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む』(光文社)『日本人だけが知らない「本当の世界史」』(PHP研究所)『嘘だらけの日米近現代史』などをはじめとする「嘘だらけシリーズ」『保守の心得』『帝国憲法の真実』(いずれも扶桑社)『反日プロパガンダの近現代史』(アスペクト)『常識から疑え! 山川日本史〈近現代史編〉』(上・下いずれもヒカルランド)『逆にしたらよくわかる教育勅語 -ほんとうは危険思想なんかじゃなかった』(ハート出版)『お役所仕事の大東亜戦争』(三才ブックス)『倉山満が読み解く 太平記の時代―最強の日本人論・逞しい室町の人々』(青林堂)『大間違いの太平洋戦争』『真・戦争論 世界大戦と危険な半島』(いずれも小社刊)など多数。

現在、ブログ「倉山満の砦」やコンテンツ配信サービス「倉山塾」(https://kurayama.cd-pf.net/)や「チャンネルくらら」(https://www.youtube.com/channel/UCDrXxofz1CIOo9vqwHqfIyg)などで積極的に言論活動を行っている。

 

 

 

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